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特集「ゼロから覚える音楽理論」|ギター/ベース楽譜(コード・TAB譜・スコア)なら全曲見放題のギタナビプレミアム!

ゼロから覚える音楽理論

第13回で触れた、トニック、サブドミナント、ドミナントを構成音という視点から、特徴を見ていきましょう。

第24回 構成音からみるコードの役割

まず最初に復習です。

トニックは安定した落ち着いたコード
ドミナント=解決したくなる不安定なコード
サブドミナント=直接もしくは間接的にトニックに解決したくなるコードで、ドミナントとトニックの中間的役割
この3つは間違えないように覚えておきましょう。

まずのトニック(T)ですが、曲のキーでもあり、曲の最初や最後に使われる事が最も多いコードです。
なぜかと言うと、曲のキーを決定するスケールのルートがコードのルートになっている為です。

例をあげますと、CDEFGABCの音階で作られたキー=Cメジャーの楽曲の場合、スケールのルートは当然Cですし、トニックもCとなります。
とにかく曲の大基本、全てはここから始まると言っても過言ではない、中心の音です。

そしてのドミナント(D)はトニックへ解決したくなります。
第13回でも出てきましたが、ドミナントからトニックへ解決する事をドミナントモーションと呼びます。

なぜトニックへ解決したくなるのか、それは構成音に秘密があります。

例として、キー=Cのドミナントモーションを見てみましょう。
キー=CのドミナントはG7になります。
ルートから見て5度上のセブンス(ダイアトニックコードで唯一メジャーコード+セブンスが付くコード)と覚えておきましょう。
FはメジャーセブンスのFM7、Emはマイナー
コード+セブンスEm7なのでドミナントではありません。


見ての通り、G7の構成音はGBDFです。
まず、ドミナントモーションのポイントとして、完全4度上昇(完全5度下降)強進行をしているという事です。
強進行というのは強力な進行で、G7⇒Cの場合はルートのG音⇒C音がこれにあたります。


完全4度の進行というのは自然かつ、非常に安定感のある進行です。
世の中には、ほぼ強進行だけで成立している楽曲があるほどです。

また、G7にはB音とF音が含まれています。

このB音+F音だけをギターで弾いてみて下さい。
1弦1フレット+2弦開放、もしくは5弦2フレット+4弦3フレット。
どちらでも良いのですが、非常に不安定な響きをしていますよね?

なぜ不安定なのか、それはB音とF音のインターバルが増4度(減5度)という間隔だからです。
この全音3つ分の音程である増4度は、別名トライトーンとも呼ばれています。

そして、不安定な音は安定した所に落ち着こうとします。
F音は半音下のE音へ、B音は半音上のC音へ進行したくなります。


実際に弾いてみると分かり易いと思います。
1弦1フレット+2弦開放⇒1弦開放+2弦1フレット


と弾いてみて下さい。
非常にスッキリしますよね?

この半音も、先ほどの強進行に次いで強い進行です。
特にB音は導音とも呼ばれ、半音上のCへ解決したくなる強いパワーを持っています。

例えばCメジャースケールをCDEFーと弾いていき、Bで止めてみてください。
すごくCを弾きたくなりますよね?
この導音がドミナントモーションに拍車をかけています。

ここまでの話をまとめます。
ドミナントモーションとは、完全4度の強進行(G7⇒C)と、トライトーンの不安定さからくる半音進行(B⇒C、F⇒E)の合わせ技によって生まれる強烈な進行という事になります。

そして、ようやく登場ののサブドミナント(SD)ですが、トニックとドミナントを繋ぐ中立的、よりスムーズな流れを作る為のクッションとも言えます。
時にはドミナントの変わりにトニックへ解決する事もあります。

さて、下の譜面を見てください。


キー=Cメジャーの4和音ダイアトニックコードです。

以前、コードはトニック、サブドミナント、ドミナントのうち、どれかの仲間と言いましたが、なぜそうなるのか、理由を見て行きましょう。

まず、CM7がトニックというのはもう大丈夫ですよね?
幾つか飛ばしてFM7、これがサブドミナントです。
そしてG7、これがドミナントです。
ここまではもう大丈夫ですよね?

では次にDm7ですが、これはサブドミナントの仲間となります。
さてなぜでしょう?(質問が乱暴すぎですね…)

Dm7の構成音は、DFACですよね。
サブドミナントのFM7の構成音は…FACEでFACの3音が共通ですよね。
CM7のCEGB、G7のGBDFと比べて、最もサブドミナントに近いという事が分かると思います。

続いてEm7です。
構成音はEGBDなので、トニックにもドミナントにも近いように思えますが、トライトーンがないのでトニックの仲間です。

同じようにAm7は構成音がACEGなので、トニックの仲間ですね。
Bm7♭5の構成音BDFAにはトライトーンのB音とF音があるのでドミナントの仲間となります。

これでダイアトニックの全ての分類ができましたね。

稀にどこに分類してよいか迷う特殊なコードも出てくる事もありますが、ダイアトニック以外のコードが出てきたときも、基本的には構成音を見てどこにT、SD、Dのどれに構成音が近いか、トライトーンがあるかを見ればどこかに分類できます。

さて、今回は第13回で紹介したトニック、サブドミナント、ドミナンを構成音という視点から特徴を解説してみました。

頭がこんがらがってしまった人もいるかもしれませんので、少々強引ですが…
キーがトニック、4度がサブドミナント、セブンスがきたらドミナントと思え。と思っていればギターを弾く上では問題ないと思います。

今回はメジャーキーについて見てきましたが、マイナーキーの場合にはちょっと面白い現象が起こります。
3種類あったマイナースケールの理由も明かされます。

次回をお楽しみにっ!!