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- ゼロから覚える音楽理論
- 第3回 音の長さ
4分音符を基準に音の長さを見ていきましょう。
4分音符とは、黒たまに棒が伸びただけで、旗のない音符です。
正式にはこの黒いたまの部分を「符頭(ふとう)」、棒の部分を「符尾(ふび)」、旗の部分を「符鉤(ふこう)」と呼びます。
4分音符には符鉤はありませんね。
さて、この4分音符の倍の音の長さを表すのは何でしょうか?
4の倍だから8分音符でしょうか?
いいえ、正解は2分音符です。
2分音符は、4分音符の「たま」が白抜きの音符です。
では、この2分音符の倍の長さ、つまり4分音符の4倍の長さはどうでしょうか?
2分の倍だから…1分音符??
残念、考え方は合っていますが、全音符と言います。
2分音符の棒がなくなった形ですね。
では反対に、4分音符の半分の長さの音符はなんでしょう?
今度こそ8分音符だと思いますよね?
正解です!!
4分音符に旗が1つ付いた形をしています。
では8分音符の更に半分の長さの音はどうでしょうか。
そう、16分音符ですね。
これより短い音符もあるんですが、詳しくは省略します。
簡単に言うと、32分音符、64分音符と名前が付いていて、旗がどんどん増えていきます。
さて、音の長さだけでは音楽は成り立ちませんよね?
音を出さない長さも必要ですよね。
音の長さを音符で表すのに対し、音を出さない長さは休符で表します。
休符と言う名前ぐらいは聞いたことありますか?
休符も音符と同じ要領で考えます。
音符の4分音符と同じ長さの休符を4分休符といいます。 音符とは全然違う形をしていますね。
この4分休符の倍の長さの休符はどうでしょうか。
音符と同じと考えると…そう、2分休符です。
黒い長方形の底辺が左右にチョット出ている形ですね。
続いて、2分休符の倍の長さの休符は…そう、全休符ですね。
今度は上側が伸びていますね。
さて今度は逆に短い方を見ていきましょう。
4分休符の半分の長さの休符はどうでしょうか。
はい、これが8分休符です。
ではこの8分休符の半分の長さの休符はどうでしょうか。
そうですね、16分休符ですね。
音符の時と同じく、8分休符の旗のような部分が増えましたね。
32分休符、64分休符はこの旗の様な部分が増えていきます。
音符も休符もたくさん出てきたのでここで整理しておきましょう。
音符と休符を一覧にまとめてみました。
左から○分音符(休符)、音符、休符、4分音符に対しての長さ、になっています。
ところで、音の長さは長くなるのに、何故数字は下がるの?と不思議に思いませんでしたか?
これにはちゃんと理由があるんです。
まず全音符を見てください。
この長さに必要なのは、2分音符が2個ですね。
4分音符だと4個必要で、8分音符だと8個、16分音符だと16個必要です。
もうお分かりですね、全音符の長さに必要な数が名前になっているんです。
そして、もう一点注目して欲しいのが、全休符と2分休符です。
全休符は上側、2分休符は下側が出っ張っていましたが、五線に書くと、消えてしまいます。
これは、全休符を第4線の下にくっ付けて書き、2分休符は第3線の上にくっ付けて書く為です。
線の上に書いてあるので当たり前といえば当たり前なのですが、第何線に書くか忘れないようにしましょう。
稀に違う線の上に書いている人を見かけます…
さて、これで長さを全て表せるようになったでしょうか?
まだ足りないですよね?
4分音符と8分音符を足した長さの時はどうしましょう。
そこで出てくるのが付点音符です。
横に点の付いた、こんな音符を見たことありませんか?
この点のついた音符を付点音符といい、意味は「その音符+その音符の半分の長さ」です。
例えば上の付点4分音符の場合は、4分音符+8分音符となります。
付点音符も一覧にまとめてみました。
休符に関しても同じ事が言えます。
例えば、付点4分休符=4分休符+8分休符ですし、付点8分休符=8分休符+16分休符となります。
音価については音符も休符も同じと覚えておきましょう。
ちょっと特殊な音価に連符と言うものがあります。
3連符、5連符などは良く見かける連符なので仕組みを覚えておきましょう。
連符とは、1つの音符の長さを均等に割った音符の事を言います。
4分音符を3つに分けたものを3連符、5つに分けたものを5連符と言います。
例えば、4分音符で「タン・タン・タン・タン」となっているとすると、3連符は、「タタタ・タタタ・タタタ・タタタ」となります。
4分音符の1つの「タン」=「タタタ」になるわけです。
具体的な曲だと、結婚式で良く聞く「パパパパーン」の最初のパ3つが3連符です。
同じように、5連符の場合は「タタタタタ・タタタタタ・タタタタタ・タタタタタ」となります。
下の3つを見比べてみましょう。
==4分音符==
==3連符==
==5連符+3連符==
ハードロックの速弾きソロ等には更に細かく分けた、6連符、7連符等が出てくる事もあります。
何連符になっても考え方は同じで、数字の数だけ分割します。
ちなみに、2連符と4連符は存在しませんが、何故だか分かりますか?
4分音符を2つに分けたもの、それは8分音符だからです。
同様に、4つに分けたものは16分音符となる為です。
さて、ここまでは4分音符で説明をしましたが、2分音符にも連符があります。
例えば2分音符を均等に3つに分けた「2拍3連」です。
さきほどと同じように、4分音符が「タン・タン・タン・タン」となっているとすると、2拍3連は、「タンタンタン・タンタンタン」となります。
==4分音符==
==2分音符==
==2拍3連符==
この他にも2拍5連や、4拍5連も理論上はあるのですが、あまりお目にかかる事はありません。
連符が一通り理解できたところで、ルールをおさらいしておきましょう。
音符を3等分する場合、3連符を用います。
原音符の半分の音価の音符を3つ並べて、3の数字を付け足します。
5-7等分する場合、5-7連符を用います。
原音符の1/4の音価の音符を5-7個並べて、5-7の数字を付け足します。
9-15等分する場合、9-15連符を用います。
原音符の1/8の音価の音符を9-15個並べて、9-15の数字を付け足します。
言葉で表すとややこしいですが、目で見れば理解し易いと思います。
先ほどの、5連符+3連符の譜面をもう一度見てみましょう。
3連符は原音符(4分音符)の半分の音価(8分音符)を3つ並べて上に3と書いてありますね?
5連符は原音符(4分音符)の1/4の音価(16分音符)を5つ並べて上に5と書いてありますね?
もし旗の数を間違えて書いてあっても、前後の流れから判断できますが、
連符を書く際には気をつけましょう!
さて、ここからは完全な蛇足に突入します(え?)
レコーディングやスタジオで、「そこは白玉(しろたま)でお願い」と言う言葉がよく飛び交います。
この白玉とは、鍵盤の白鍵って意味でもないし、団子のアレでもないです。
白玉で弾く、とは2分音符以上の音価で弾くという意味です。
ギターだとカッティングやストロークではなく、ジャラーンと伸ばす感じですね。
なぜ伸ばす事を、白玉と言うのでしょうか?
今回の音楽理論講座をちゃんと読んでる人は気づきましたよね?
音符の符頭(たま)の部分が2分音符と全音符は白いからです。
誰が言い始めたのかは分かりませんが、今でも現場で使われる言葉です。
今回はここまでです。
ちょっと頭を使う所が多かったですが、音符、連符、休符はもうバッチリですね!!
意識するのは最初のうちだけで、慣れてくるとパッと見ただけで理解できるようになります。