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 - 第26回 ツー・ファイブ
 
ゼロから覚える音楽理論
前回と前々回でドミナントモーションについて解説しました。
			ザックリ言うと、ルートの5度上のセブンスコードからルートに解決するコード進行でしたね。
			そして、ドミナントモーションにはトライトーンが不可欠だというところまでOKでしょうか。
			キー=CであればG7⇒Cこれがドミナントモーションでしたね。
しかし、コード進行の中で唐突にドミナントモーションを使うと「いきなり感」があるのも事実です。
			そこで、ワンクッション挟んでスムーズな流れにしようというのがツー・ファイブです。
第26回 ツー・ファイブ
では、ツー・ファイブってそもそも何でツー・ファイブって言うの?という疑問を解消しましょう。
ツーとファイブ、つまり2と5がポイントになってきます。
			理論で言う2や5といえば…そう、度数です。
			解決したい音に対して2度と5度のコードを使用します。
5度は前に出てきたドミナントの事です。
			キー=CでいえばG7にあたります。
			では2度、キー=CでいえばDm7になります。
			このDm7とG7を使ってCに解決する方法をツー・ファイブと呼びます。
2度と5度を使うからツー・ファイブ。
			なんの捻りもない、ズバリそのままです。
では実際の使い方ですが、5度の前に2度を置く、それだけです。
			使い方も非常にあっさりですね…
では具体的に例を見てみましょう
			よく見かけるコード進行ですね。
これのG7⇒Cの部分をツー・ファイブにしてみましょう。
			Dm7⇒G7⇒Cとすればいいわけですね。
			つまりこうなります。
			通称Ⅰ・Ⅵ・Ⅱ・Ⅴ(いちろくにーごー)なんて呼ばれます。
			(由来は後ほど…)
メロディラインやコード進行に問題がなければ2小節目のAmをDm7に変えてもOKです。
			上記の様に、ダイアトニックコード内で使うとあまり変わった感じがしないかもしれませんが、ツー・ファイブが本領発揮するのは転調や部分転調の場面です。
			例えばこんなコードB♭への進行の場合
			B♭をトニックに見立てて、2度のCm、5度のF7を挟みます。
			ツー・ファイブを挟む事で、直接進行するよりスムーズに流れになります。
これは例なので強引なコード進行になっていますが、ツー・ファイブは非常に多く使われています。
			前に、セブンスコードを見たらドミナントモーションだと思ってくださいと言いましたが、ドミナントモーションを見たらツー・ファイブかどうかも見てください。
			今まで気づかなかっただけで、実はツー・ファイブだった!なんてコード進行もあると思います。
さて、先ほどⅠ・Ⅵ・Ⅱ・Ⅴ(いちろくにーごー)が出てきましたが、ツー・ファイブに続いて数字が続いていますね。
			なぜDm7やG7と言わずに2、5、などの数字を使うのでしょうか。
			答えは単純に、「キーが変わっても説明できるから」です。
今までこの講座ではCとかAmなどを使ってきました。
			それは、なるべく具体的に説明する事で伝わり易いからです。
			例えば、コード進行の話をしている時にⅠM7・Ⅵm7・Ⅱm7・Ⅴ7のコード進行で…と書いても分かりづらいですよね。
			気楽に読んでもらう為に、なるべく調号を付けず具体的に書いてきました。
しかし、理論書の多くはローマ数字で書かれていることが多いので、この際ちょっと手を出してみましょう。
			ローマ数字になると一気に意味が分からなくなっちゃう人は、無理に覚えなくても大丈夫です。
まずは見慣れたキー=Cメジャーのダイアトニックコードです。
			
これさえ覚えてしまえば、メジャーダイアトニックは全て同じです。
			こちらはFメジャースケールです。
			
			数字で覚えておけばどんなキーでも対応できますよね。
スケールもこれと同じで、ルートとのインターバルがどれくらいかを覚えておけば、ルートの音が変わっても大丈夫です。
			ただ、せっかくギターやベースを弾いているので、頭ではなく指板で覚えましょう!
			その方が視覚的にも覚え易いですし、指板上を横にずらすだけですからね。
ルートに対してどこが何度になっているのか、スケールやコードを押さえるときにちょっと意識して弾く癖を付けましょう!

