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特集「ゼロから覚える音楽理論」|ギター/ベース楽譜(コード・TAB譜・スコア)なら全曲見放題のギタナビプレミアム!

ゼロから覚える音楽理論

裏コード」と聞くと何とも怪しいコードに感じますが…
代理コードの一部で、ちょっと面白い響きなので覚えておきましょう。

第27回 裏コード

そもそも代理コードとは、その名前の通り、何かの変わりに使うコードです。
なぜ代理コードに変えるかというと…作曲者、アレンジャーの気分です(笑)
半分冗談ですが、半分本当です。

曲を作っていて、メロディーはこのままでいいんだけど、コードの響きをちょっと変えたい。
何となく普通過ぎるコード進行なので刺激がほしい。
こんな時に代理コードが登場します。

その中の1つに今回の怪しさ満点、裏コードがあります。
裏コードとは何なのかと言うと、ドミナントの代理で使われるコードです。
何か最近ドミナントばっかりじゃない?と思われるかもしれませんが、現代音楽にとってドミナントは非常に重要なのです。

前にも触れたかもしれませんが、コード進行とは…
つまる所、いかにドミナントモーションを起こしてトニックに解決するか
起承転結をどうやって繋げるか。
これに尽きるわけです。

誤解を覚悟で言えば、途中の経過はどうでもいいんです(笑)
最後の最後、トニックに戻れば。
※戻らない曲もあったりしますが…。

先頭のコードが主語、途中のコードは修飾語、ドミナントモーションが述語だと思ってください。
途中、色々なコードで色づけして、最後何が言いたいか、どうしたいかがドミナント。というイメージを持つと分かり易いかと思います。

話を元に戻しつつ、おさらいをしておきましょう。
キー=Cの場合、ドミナントはG7ですね。
このG7がドミナントたる理由は⇒トライトーンでしたね。
トライトーンのインターバルは⇒全音3つ分、増4度(減5度)でしたね。
ここまで理解してればドミナントはバッチリです!

さて、裏コード=ドミナントの代理と言いましたが、当然ドミナントの特徴を持ち合わせたコードという事になります。
コードG7の構成音⇒G、B、D、Fですね。

このうちB音F音がトライトーンでしたね。

このB音、F音を持ったセブンスコードが裏コードになります。
一つずつしらみ潰しに調べてもよいのですが、時間が掛かるので結論からいいますと、D♭7が裏コードにあたります。
D♭7の構成音は、D♭、F、A♭、C♭(B)ですね。
B音、F音共に構成音にありますね。

それでは実際のコード進行を裏コードにしてみましょう。
分かり易くするため、ちょっと強引にG7を置き換えてみます。

んー、いささか強引ですかね。
ただ、何となく雰囲気は感じ取れると思います。

では、ちょっと趣向を変えて…




(※パターンA)

最後の4小節をこのようにしてもOKです。 (※パターンB)

上のコード進行を理論的に見てみましょう。
まず1-3段目の Dm7⇒G7⇒C これはツーファイブになってますね。

12小節目のA7は、13小節目のDm7へ繋げる為のドミナントモーションです。

本来であればダイアトニックコードのAm7ですが(4、8小節目はそうなってますよね)A7にするとDm7へ解決する感が強まります。

そしてDm7⇒D♭7は本来ツーファイブのDm7⇒G7を裏コードのD♭7に置き換えたパターンです。

D♭7あたりから曲の最後っぽくテンポを落として弾くと、それっぽい雰囲気になると思います。
しかも、ルートがD⇒D♭⇒Cと半音ずつ下がってくるので、ベースラインもスムーズに流れています。

Bパターンでは、ツーファイブ後にD♭7を挟んでいます。

曲の最後などで引っ張る時によく使われる手法です。
Aパターン、Bパターン共に曲の間で使ってもOKです。

では、裏コードをどうやって導き出すか。
毎回ドミナントのトライトーンを調べて、同じトライトーンを持つドミナントをひたすら探していては日が暮れてしまいますよね。
一発で裏コードを導き出す方法、それは「解決したいコードの半音上のセブンスコード。」です。

上記の例ではコードCに解決したかったので、D♭7(C#7)でした。
Gに解決するD7であれば裏コードはG#7Eに解決したいB7の裏コードはF7となります。

他にも、表コード(元のセブンス)の増4度(減5度)上のセブンスと覚える方法もあります。
C7の裏コードだったらF#7(G♭7)、A7の裏コードだったらD#7(E♭7)となるわけです。
いや、むしろ難しい…と思うかもしれませんが、そんな時は指板で覚えましょう。

6弦ルートの裏コードは、1フレット上がった5弦ルートのセブンスコード。
5弦ルートの裏コードは、1フレット下がった6弦ルートのセブンスコード。
目で覚えると簡単でしょ?

どちらの考え方でも導き出されるコードは同じなので、裏コードに主眼を置いて考えるか、解決したいコードに主眼を置いて考えるか、覚え易い方で大丈夫です。

裏コードまで覚えてしまえば、セブンスコードに関してはバッチリです。
前にも書いたかもしれませんが、セブンスコードを上手く使うと転調がスムーズになったり、逆に「おっ?」と驚くコード進行を作れたりします。
やり過ぎは良くないですが、積極的に使って裏コードの持つ雰囲気を耳で覚えてください。

普段コピーしている曲のセブンスを裏コードに置き換えてみても面白いと思います。
無駄にツーファイブにアレンジしてみたりして…

では今回はこの辺で!