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第21回 特殊コード(sus4,2)
ではハイコードのフォームから見ていきましょう。
5弦ルートのBsus4の場合は、コードBと比べると2弦4フレットが5フレットに変更されています。
ローコードに関しても押え方はほぼ変わらず、どこかが1フレット上がります。
つまり…何かが半音上がるんだなって分かりましたね。
次にCsus4の構成音を見ていきましょう。
あれ…3度がありませんね…
コードやスケールでは、3度がマイナーかメジャーかを決定する、非常に重要な音だと何度も説明してきました。
sus4にはこの3度がない、これが一番大きな特徴です。
え???
3度ってなくてもいいの!?
と皆さんが前のめりになってきたところで解説です。
そもそもsus4って何?というところから始めましょう。
susは「suspended」という単語の略で、suspendという動詞の受動態で、吊りあげられた、吊るされたという意味です。
ズボンを吊るサスペンダーと思ってもらえれば分かり易いと思います。
じゃあコードネームのsusは何を吊り上げているのか、それが3度なんですね。
つまり、3度を吊り上げて4度にしましたよ。というのがsus4です。
コードを覚えながら英語も覚えられちゃうなんて何て素晴らしい講座なんでしょう(笑)
3度がない理由が分かったところで、どんな役割があるコードなのか見ていきましょう。
3度がないという事で、非常に不安定なコードになります。
前回と前々回のaugやdimもどこか不安定な感じがしましたよね?
sus4も同じく浮遊している感じがします。
特に半音上に動いた音は元に戻ろうとしたがる傾向があります。
音楽ではこの半音移動が戻ろうとする進行(解決と呼びます)がよく出てくるので、頭の片隅に入れておいて損はないと思います。
ではsus4の場合、どこへ解決したがるのか。
半音下の3度、つまり元のメジャーコードです。
Csus4⇒C
G7sus4⇒G
こんなコード進行が良く使われます。
イントロなどで同じコードが続くときに、メロディーに合わせてコードトーンを動かす進行です。
こちらもよくある、ストレートにCに戻らず、ワンクッション挟んでCに解決する進行です。
どちらも元のメジャーコードに解決する代表的な使われ方です。
作曲の際、同じコードで間延びしてしまったり、素直にコードへ戻りたくない時に使ってみてください。
また、ここでは触れませんが、3度がないメジャーともマイナーとも言えない中性的な響きなので、フュージョン系の楽曲にもよく使われます。
sus4ついでに最近目にするようになったsus2も解説してしまいましょう。
昔はsus2という表記はほとんど使われませんでした。
最近のポピュラー音楽によって派生したコードネームです。
こちらもsus4と同じく、3度が2度に変化したコードで、ルート、2度、5度という構成音です。
sus本来の「吊るす」の意味からすると外れていますが、便宜上sus2と呼ばれています。
ちょっと先走りますが、後に解説するCadd9とは性質が異なるので注意しましょう。
susの場合は3度が変化するもの、Cadd9は3度が存在した上で9度が付くというコードです。
具体的に構成音を見てみると
Csus2⇒C、D、G
Cadd9⇒C、E、G、D
という違いがあります。
ルートのCから見て2度も9度も同じD音ですが、3度があるかないかでコードネームや役割が変わってきます。
9thの話が出てきたので次回はテンションコードについて見ていきましょうか。
ちょっとお洒落でジャジーな響きになるので、ポロロンと弾けるだけでもモテます(笑)
なんちゃってジャズギタリストにもなれますのでお楽しみにっ!!。