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第10回 短音階(マイナースケール)
ではさっそくメジャースケールとマイナースケールの違いを見て行きましょう。
まず、前回登場したCメジャースケールがこれですね。
そして、Cマイナースケールはこのようになります。
C,D,E♭,F,G,A♭,B♭,C
違いは一目瞭然ですね。
メジャースケールに比べ、3度、6度、7度が半音低い特徴があります。
音の間隔を見てみましょう。 メジャースケールが全全半全全全半の並びだったのに対し、 マイナースケールは全半全全半全全となります。
指板上ではこんなスケールです。
正確に言うと、長3度、長6度、長7度が短3度、短6度、短7度になるという事です。
漢字だと何とも読みにくいですね…
そこで、メジャーを大文字のM、マイナーを小文字のmで表し、M3(rd)やm3(rd)と書かれる場合もあります。
これはコードで良く見るのと同じ命名規則なので、すんなり覚えられるかと思います。
ただし、英語と日本語をごっちゃにするのはやめましょう。
(悪い例)
m3度(マイナーさんど)、M7度(メジャーなど)
正しくはm3rd(マイナーサード)、M7th(メジャーセブンス)と言います。
もう1つ、大事な点があります。
E♭は同じ音のD#ではダメなのか、ダメなら何故か?と言うことです。
来月までの宿題とします!!
と言うと自分で忘れそうなので解説します。
Cマイナースケールなので、ルートはCになりますね。
Cから見るとE♭は短3度ですよね。
これがD#になると、Cから見て増2度となってしまい、スケール内に3度がなくなってしまいます。
実際の譜面であらわすとこの様になります。
それどころか長2度のDが元々あるので、2度が2つになり、3度がないスケールとなります。
これがNGの理由です。
レアなスケールの中には同度内に2つの音が存在する事がありますが、基本的にはダメです。
はい、いつもの通り話が逸れました(笑)
今度はAマイナースケールを見てみましょう。
んー#や♭がなくて非常にすっきりした楽譜ですね。
さて、#や♭がないと聞いてピンときませんか?
前回も今回の最初にも紹介した#や♭のないメジャースケール…
そうです、Cメジャースケールです。
2つを並べてみましょう。
スタートの音が違うだけで音の並びが全く同じという事に気づきましたか?
音だけを並べるとこうなります。
指板を見るともっと分かり易いかな…
これがCメジャースケール
こっちはAマイナースケール
ルートが違うだけで他は全く一緒ですね。
つまりどちらか一方を覚えてしまえば、必然的にもう一方も覚えた事になってしまいます!!
ついでに5弦ルートのマイナースケールも紹介しておきましょう。
指板的に初心者に使いやすいのがこれです。
指板に番号を振っていませんが、5弦のルートが3フレットならCマイナースケール、開放ならAマイナースケール、5フレットならDマイナースケールになります。
メジャーの3フレット下から始めるとマイナーと覚えてしまいましょう。
そして、この様な関係が全ての音に存在します。
例えばGメジャースケール=Eマイナースケールですし、Dメジャースケール=Bマイナースケールです。
最初に言ったように、ロックやポップスではマイナーキーが多いので、実際にはマイナースケールを覚えてたらメジャースケールも覚えちゃった。という感じになると思います。
このCメジャー=Aマイナーは非常に重要で、平行調と呼ばれています。
作曲などでコード進行を考える時の根本的な部分だったり、楽譜を見ただけで曲のキーが判別できるようになる便利な理論です。
と言いつつ、ここまで皆さんついてこれてますか…?
分からない用語が無くなる様に、極力噛み砕いて書いていますが、それがかえって分かりづらいなんて事ないですかね?