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第11回 コードの仕組み
コードとは、一言で言えば複数の音を重ねた音です。
日本語では和音とも言います。
和音の「和」は数学にも出てくる「足す」という意味ですね。
重ね方にはルールがあり、基本的にはルート(1度)に3度、5度…と奇数度を順に重ねていきます。
そうじゃないコードもありますが、それはまた別で解説します。
Cメジャースケールを例に取ってみましょう。
このCメジャースケールのルートのCに音を重ねていきますね。
まずはCに3度のEを足します。
さらに5度のGを足します。
これでCとEとGが重なりましたね、これでコードが完成です。
このコード何だか分かりますか?
C=5弦3フレット、E=4弦2フレット、G=3弦開放…正解はコードCです。
え?コードCは2弦も1弦も弾くじゃないかって?
2弦1フレットはC、1弦開放はEですよね?
実は高さが違うだけで音は同じなんです。
5本の弦を弾いてるのに、音名はC、E、Gの3つだったという事です。
では、他の音でもやってみましょう。
Dに3度のFを重ねてみます。
更に5度のAを重ねてみます。
D、F、Aと音が重なりました。
このコードは何でしょう…
コードDと思った方、惜しいです!!
正解はコードDmです。
Cと同じように音を重ねたのに、何で急にマイナーになったのか不思議ですよね。
注目するべきは3度にあります。
コードCに重ねたEはメジャー3rd(長3度)でしたね。
それに比べて、Dに重ねたFはDから見るとマイナー3rd(短3度)だったんです。
この3度がメジャー(長)かマイナー(短)かで、コードのメジャーかマイナーかも決まるんです!!
実は同じコードのメジャーかマイナーかは半音違うだけだったという訳です。
例えばこのDmの場合、実際にコードを押さえてみると1弦がFになります。
そして1弦を半音上のF#、メジャー3rd(1弦2フレット)にすると…
コードDですね?
C、Dときたので、Eにも音を重ねてみましょう。
Eに3度のG、5度のBを重ねるとこうなります。
さぁ、このコードは分かりますか?
そう、Emですね。
ルートと3度の間隔が1音半(3フレット分)ならマイナー、2音(4フレット分)ならメジャーです。
頭で考えて分からない時はドンドン指板で確認しましょう。
次はFに行きますよ?!
Fも同じように3度のA、5度のCを重ねます。
コードFの完成ですね。
まだまだいきます。
Gに3度のB、5度のDを重ねて…
コードGの出来上がり。
しつこいですが、更にAもやってみましょう。
3度のC、5度のEを重ねると…
コードAmになりましたね。
Aから見てCは短3度なので、コードもマイナーになりました。
ではラスト、Bはどうでしょうか。
Bにも3度のD、5度のFを重ねてっと…
Bから見てDは短3度だから…Bm?
じゃないんです!!
5度にも注目して下さい。
今まで出てきたCもDmもEmも全て完全5度でした。
CとG、DとA、EとB、どれも完全5度ですよね?
ところがBから見てFは減5度になっていますね。
減5度になった時は、コードネームも変わります。
たまに目にする♭5です。
っと言うわけで、さきほどの
このコードはBm♭5というコードになります。
「♭」を「-」と略してBm-5と書いたりもします。
これでCメジャースケールのCから始まり全ての音に和音を付けましたね。
ちょっと並べてみましょう。
この、メジャースケール内の音を単純に重ねたコードの集まりをダイアトニックコードと言います。
コードグループと呼ばれることもあります。
キーがCの曲をよーく思い出してください。
ほとんどがここに出てくるコードで成り立っていませんか?
もちろん、転調したり、以降に出てくる代理コードなどを使うこともありますが、この7つのコードが基本になっています。
逆に言うと、ダイアトニックコードだけで曲が作れてしまうんです。
さて、そろそろ頭がパンパンになってきたかもしれませんが、最後に1つだけ。
CメジャースケールとAマイナースケールが同じ音だった話は前回しましたよね。
実はダイアトニックコードも同じなんです。
スケールの音が同じという事は、コードになるルートも同じ、構成音も同じという事が言えます。
先ほど出てきたCのダイアトニックコード
これの6番目のAmからGまでがキーAmのダイアトニックコードとなる訳です。
メジャーキーのダイアトニックコードを単純にダイアトニックコード、マイナーキーのダイアトニックコードの事をマイナーダイアトニックコードなんて呼ぶこともあります。
スケールの時に出てきた名前と同じですね。
コードの仕組みについて分かってきたでしょうか?
GメジャーとかDメジャーのダイアトニックコードは?
Asus4って何?
Baugはどうなってるの?
Gdimの構成音は?
まだまだ疑問は色々とあると思いますが、今回はここまでにしておきましょう。
短3度が出てきたらマイナーコードになる。
今回はこれが一番大事なので、絶対に忘れないようにしましょう。