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第17回 キー「♭系」
では、本題に入る前に、ざっくりと前回のおさらいをしてみましょう。
キーがCメジャーとAマイナーの時は調号が何も付かず、それ以外のキーには調号が付く。
調号に#が付く順番は絶対にF、C、G、D、A、E、B。
#が1つ増えるたびに、G、D、A、E、B、F#、C#とキーが変わっていく。
ギターの指板で音を追っていくと、調号の付く順番もキーの変化する順番も、5弦⇒6弦同フレット⇒5弦2フレット上⇒6弦同フレットとなる。
ここまではOKでしょうか?
引っかかる部分がある人は、前回の第16回をもう一度読み返してみよう。
ここまで何も問題なく理解できていれば、♭系もすんなり覚えられると思います。
ではまず、何度も出てきているこのスケールはなんでしょう。
さすがに見飽きてきた、Cメジャースケールですね。
では、F音から始まるFメジャースケールを見てみましょう。
音の間隔をメジャースケールの「全全半全全全半」とする為にBに♭が付いています。
次にB♭から始まるB♭メジャースケールを見てみましょう。
Bに加えてEにも♭が付きましたね。
同じようにE♭メジャースケールは
B、E、Aに♭
A♭メジャースケールは
B、E、A、Dに♭
D♭メジャースケールは
B、E、A、D、Gに♭
G♭メジャースケールは
B、E、A、D、G、Cに♭
C♭メジャースケールは
B、E、A、D、G、C、Fに♭
全ての音に♭が付いてしまいましたね。
こんな楽譜渡されたら半音下げチューニングにしてCで弾いた方が断然楽ですね。
さて、#の時と同じように調号を見てみましょう。
これは全部付いた時(キー=C♭)の場合ですが、#と同様、絶対にこの順番でしか付きません。
同じって言ったって#と順番違うじゃん…と嘆くなかれ!!
#が付く順番は
F、C、G、D、A、E、B
♭が付く順番は
B、E、A、D、G、C、F
全く逆の順番で付いているのに気づきましたか?
つまり、どちらかを覚えてしまえば、もう一方は逆から付ければいいわけです、簡単でしょ?
次に、♭が付いて変化していくキーですが、CからF、B♭、E♭、A♭、D♭、G♭、C♭となります。
♭が付いてややこしく見えますが、指板で音を追うと…
調号のように、#と正反対の音とは言えませんが、規則的には正反対に動いています。
まずCが6弦8フレット。
次のFは弦を1つ上がる。
次のB♭は弦を1つ下がって2フレット下へ。
次のE♭は弦を1つ上がる。
次のA♭は弦を1つ下がって2フレット下へ。
次のD♭は弦を1つ上がる。
次のG♭は弦を1つ下がって2フレット下へ。
次のC♭は弦を1つ上がる。
#と♭、キーの変化を指板上の動きで比べてみましょう。
この動きさえ頭に入ってしまえば、楽譜を見た瞬間にキーを導き出せます。
#や♭の数だけCから動けばいいわけですね。
練習も兼ねてちょっとクイズでもしてみましょうか。
第一問!!
それぞれ、曲のキーはなんでしょう?
回答
①は#が2つなので、CからG、DでDメジャーが正解です。
②は♭が4つなので、CからF、B♭、E♭、A♭、A♭が正解です。
③は#が6つなので、CからG、D、A、E、B、F#となり、F#が正解です。
どうでしょう、全問正解しましたか?
第二問!!
次のキーはどのような調号になるでしょうか?①B♭メジャー
②Eメジャー
③Eマイナー
回答
慣れるまではこちらの方がちょっと難しいですね。
①はCからF、B♭と2つ移動するので♭2つ
②はCからG、D、A、Eと4つ移動するので#4つ
③が難しかった人は、マイナーなので平行調のGメジャーで考えてください。
CからGと1つ移動なので、#1つ。となります。
以前にも平行調は出てきましたが、CメジャーとAマイナーの関係です。
平行調と言うくらいですから、スケールとキーにおいて共通の考え方です。
この辺りは一度まとめをしますのでご心配なく!!
さて、この音楽理論講座はいつ終わるの?
第何回まで続くの?
といった質問がありました。
市販されている音楽理論書を見て頂ければ分かるのですが、音楽理論はいくらでも高度な話になり、非常に複雑になってきます。
ギタナビではギタリスト、ベーシストに必要だと思われる部分を中心に進めていますが、いつ頃終わると断言できません…
とは言え、延々続ける訳ではなく、モード・スケールと代理コードを終えたあたりで一区切りつけようと思っています。
代理コードも突き詰めると終わりなく解説が必要になりますが(汗)
音楽理論が分からないとギターが弾けないわけではないし、もちろん曲だって作れます。
音楽理論的にダメと言われる演奏をしたって、カッコよければOKなんです。
だったら「理論を知る必要はないんじゃ…」と思われるかもしれませんが、知っている方が便利ですし、音楽理論から受ける恩恵は非常に大きいと思います。
「スケールや理論を知ると、それに縛られてオリジナリティがなくなる」なんて言葉を聞きますが、僕は逆だと思います。
理論を学んだだけでオリジナリティがなくなるのであれば、たいしたオリジナリティではないです。
ある程度分かった上で、じゃあ自分の演奏にどう生かすか、これが一番大事なんです。
このコーナーを読まれている方は、向上心のある人だと思いますが、音楽理論が分かると楽しくなってきませんか?
新たな発見があったりしませんか?
今回のキーで言えば、自分で曲を作ってノートにコード譜を書いたとします。
「キーはA」と書くよりも、#を3つ書いた方がカッコよくないですか?(笑)
最初はその程度でいいんです。
挫折したっていいんです、途中で投げ出してもいいんです、必要だなと思った時に読み返してください。