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特集「ゼロから覚える音楽理論」|ギター/ベース楽譜(コード・TAB譜・スコア)なら全曲見放題のギタナビプレミアム!

ゼロから覚える音楽理論

拍が分かった所で、拍がズレる場合も見ておきましょう。
今回は実践的な内容なので、ストロークや作曲時に大いに役立つと思います。
ちなみに、「裏」技と書いたのは音楽の裏技ではなく、拍の裏を使う技と言う意味です。

第5回 リズムの「裏」技

まず、シンコペーションです。
名前くらいは聞いたことありますか?
シンコペーションとは、弱拍の音符と次の強拍の音符を同音で繋いだリズムです。
と言われても良く分かりませんよね。
ストロークでダウンストロークを空振りするリズムと言うと分かり易いですかね。
よく「そこはクッて」「8分クイで」と言われるアレです。
「クウ=食う」で、後ろの拍が前の拍を「食う」から来ています。

では実際にリズム譜を見てみましょう。
良く目にするリズム譜ですが、この赤で囲まれたタイがシンコペーションです。
「2拍目裏でクッてる」なんて言い方をします。
続いてはこちら。
16分のストロークでも同じで、赤枠部分がクッています。
この場合は「16分クイ」と言います。

全ての楽器がシンコペーションすると強力にアクセントがずれる為、キメの部分等では良いのですが、サラッとシンコペーションさせたい時はギターだけ、やドラムだけと言う場合もあります。
更に、シンコペーションは小節内に限ったものではありません。

これは小節を跨いでタイで繋がれていますね。
次の小節の1拍目がこの小節の4拍目裏をクッています。
どのパターンも弾いてみると良く分かりますが、アクセントが前に移動します。
これが一番大事なポイントで、サビの最初などに使うと躍動感が生まれ、スリリングな感じがします。
中には次から次へシンコペーションさせて前へ前へと進む曲もあります。
例えば、サスケ/青いベンチは多くの部分のコードチェンジのタイミングでシンコペーションしています。

シンコペーション=食い=アクセントが前にずれる、と覚えておきましょう。

次はアウフタクトです。
シンコペーションにちょっと似ていますが、混同しないように気をつけましょう。
曲は1拍目から始まる曲と、そうでないものがあります。
先ほどのサスケ/青いベンチは1拍目から始まります。
そして、1拍目以外から始まる始まり方をアウフタクトと呼びます。
例えば、スピッツ/空も飛べるはずのイントロはギターがメロディーを弾いています。
このギターが8分音符で2音だけドラムより先に始まります
自分がドラマーだったとしたらカウントをどうやって出しますか?
4拍目からギターが始まるので、1,2,3までですよね?

他にはエレファントカシマシ/今宵の月のようにもそうですね。
この曲は歌とアコギのみで始まりますが、歌詞の「くーだらねぇとー」の「くー」が8分音符1つ分前から始まっていますよね?
これがアウフタクトです。

アウフタクトは日本語では(弱起)と呼ばれています。
字の通り、弱拍から始まるという意味ですが、強拍で始まると安定感があるのに対し、弱拍で始まるとスリリングだったり、意表をつかれた感じがします。
そしてシンコペーションと同じく、全てのパートがアウフタクトで始まるとより強力な印象を与えます。

今回はシンコペーションとアウフタクトについて解説しましたが、普段はあまり気にせずにギターを弾いていると思います。
それは全く問題ないのですが、作曲時に普通のリズムが良いのか、シンコペーションの方がいいのか迷う時が来ると思います。
ボーカルに合わせるとついついシンコペーションが増えてしまう事もあります。
どうせだったらドラムも合わせたいと思うと、シンコペーションだらけの曲になってしまいます。

それを狙った曲であれば良いのですが、あまり使いすぎると、そこにばかり耳がいってしまい、歌が伝わりにくかったりします。
使いすぎてむしろアクセントが弱まってしまうこともしばしばあります。
何事もほどほどが大事です。

リフ部分で、ガンガンに歪ませた重低音でドラムとベースと一緒にシンコペーションすると凄く気持ち良いんですけどね…